はじめまして。AIと書くミステリー作家の中原真緒(なかはら・まお)と申します。コロナ禍デビューのミステリー作家です。2022年末から小説の執筆に生成AIを取り入れ始めて、細々とですが商業出版をさせていただいております。
この記事では、AIを使って小説を書くために大切な考え方の話をしていきますが、先に結論を述べてしまいましょう。僕がこのサイトで伝えたいことは、これだけです。
①AIを使って作業を効率化すれば、浮いた時間を本文執筆に回せる
②文章の芸術的な部分に時間をかけられるから、作品の質が上がる
いかがでしょう。しっくりきましたか? あるいは、ちょっと意外でしょうか。
AIはただのツールではなく、友人のような存在です。ぜひ仲良くなって、あなたが大傑作を書くお手伝いをしてもらいましょう。
その最初の一歩として、AIを使うための根本的な考え方や、AIを使ってどんなことができるのかの具体例をお伝えしていきます。
大前提:AIがしてくれるのは「作成」ではなく「伴走」
まず、大前提をお話しします。小説執筆において生成AIがしてくれるのは、「作成」ではなく「伴走」です。
もし「AIに書かせる」というイメージをお持ちでしたら、一旦忘れてください。入力したキーワードからあらすじや本文を書いてくれたりツールもありますが、僕がここで発信していくやり方では、それらは使いません。
あくまでも、書くのは自分。読者さんに届ける本文は、自力で書く。AIにやってもらうのは、過程で生じる作業の効率化。これが僕の方針です。
小説執筆というのは、とにかく時間のかかるものです。ひとりで全てを行うのは大変ですが、AIと常に会話しながら作業をしていると、新しいアイデアや改善の策を教えてくれたり、ときには励ましてくれることもあります。これが「伴走」ということですね。
AIは自動的に文を作成してくれるわけではなく、ランナーのように書き続ける僕たちと、一緒に走ってくれる存在だと認識できると、途端うまく使えるようになります。
純粋な創作に向き合うためのツールだとお分かりいただけたでしょうか?
AIが得意なこと・苦手なこと・できないこと
ここからは、文章生成AIが得意なことやできないことなどの例をお伝えします。
▼得意なこと
・アイデア出しの壁打ち
・調査とファクトチェック
・考えや情報の整理
・品質を上げるためのフィードバック
・言い換えや文章のちょっとしたお直し
・キャラクターやプロットを作る
・文章力向上のトレーニング
・励ます
▼苦手なこと
・ミステリーの高度なトリックを作る
・類似作品がないか調べる(不正確なこともあるので参考程度に)
・長編小説を分析する(1回で入力できる文量はAIによって異なります)
▼できないこと
・ワンクリックで10万文字の完成品を作る
・伏線を自動で計算して整える
・商業作品のネタバレ(多くのAIでこの質問はガイドライン違反なため、回答してくれません)
・自分の実力以上の小説を書く
AI技術は常に進化していますので、今後はもっとたくさんのことができるようになると思います。
「新しい機能に出会ったとき、それをどう執筆に活かすか?」こんなふうにAIの使い方を考えること自体が、自分の執筆スタイルに向き合い、芸術的な感性を磨くことに繋がるのではないでしょうか。
AI執筆の速さの秘密は「手が止まるときのアシスト」
多くの方がAIに期待することは、速く書けるかもというところではないでしょうか?
実際、少しでもAIを触ってみたことがある方は、一瞬でアイデアが出てくることに感動したり、ぱぱっと出てくることが速さの秘訣のように感じられた経験があるのではないかなと思います。僕も最初はその素朴な経験からスタートしています。
でも、AIと一緒に書いているうちに分かってきたのは、AIを活用してスピーディーに書く最大のコツは、少しでも悩んで手が止まりそうになったら、即AIに相談すること。これに尽きると思います。
「仕方ないことだ」「仕方のないことだ」――このニュアンスの違いで悩んで手が止まってしまったら、その分締め切りが短くなるんです。そこで悩んだ時間と労力を、本当にこだわって書きたい部分に使えていたら、もっと魅力的になっていたかも……。
今までこの積み重ねでどれほど時間を無駄にしてきたのか、AIを使っていくうちに見えてくると思います。
まとめ:AIを使えば、小説の芸術的な部分に時間を使える
それでは改めて、文章生成AIの根本的な考え方で、最も重要なことをおさらいしましょう。
AIの本質
①AIを使って作業を効率化すれば、浮いた時間を本文執筆に回せる
②文章の芸術的な部分に時間をかけられるから、作品の質が上がる
当然のことながら、書店に並び読者に見てもらうのは、小説本文のみです。どれだけ時間をかけて詳細なプロットを作っても、本文の表現にそれが反映されなかったら、全く意味がありません。でも、文章に向き合う時間がもっと作れれば、読者さんに見てもらう部分を細部までこだわって作れます。
AIの使い方に正解はありませんが、少しずつ、僕が普段使っているものを共有できたらいいなと思っています。





