プロ作家のAI遍歴。初心者GPTユーザーからPerplexityガチ勢になるまで

こんにちは。AIと書くミステリー作家の中原真緒です。

きょうは雑談で、新人作家の僕がAIに出会い、Perplexityガチ勢になるまでの歴史を振り返ってみたいと思います。

※商業名義が特定できてしまう情報は伏せるorぼかすので、厳密には正確ではない箇所もあります。ご了承ください。

小説を書き始める〜AIに出会うまで

デビュー前

僕が小説を書きはじめたのは2010年代後半です。

すごく味気ない生活を送っていたのですが、なんとなくの思いつきで書き始めて、結構楽しいので、誰に見せることもなく密かな趣味として小説を書いていました。

コロナ禍デビュー

ステイホーム期間、なんだか気が滅入ってしまったので、本格的に新人賞に向けて小説を書き始めました。作家になりたいというよりは、何か熱中できるものが欲しかったという感じです。

元々、何かを分析したり、自分で工程を組み立て計画通りにやることが好きなタイプなので「新人賞攻略」はとてもやり甲斐がありました。

時間はあるので、ひたすら集中して書く……。

何作か応募して受賞しました。

デビュー後

ありがたいことに一発屋にはならず、またコロナ収束後もフルリモート勤務になったので、兼業で両立させていました。

しかし商業レベルを維持して作品を書くのは大変で、作業時間がどうしても増えていきます。

しかも、新作を出すには出版社へ企画を通さないといけないので、趣味で書いていたころとは違う苦労があったり、原稿も書いたら終わりではなく、ゲラなどもあり……。

睡眠を削るという形で兼業作家を続けた結果、体を壊しました。ただの過労で入院手前。情けないことです。

どうやって両立すればいいのか苦しんでいたところで、思いがけず救世主に出会いました。

Chat GPTです。

2022年末、OpenAIが急に爆発的に流行ったあのタイミングでした。

最初は使うつもりがなかったChat GPT

最初は小説に使おうとは全く考えておらず、新しいおもちゃを触る感覚で使っていました。日常の相談とかがメインです。

調べ物をしようとして、堂々と誤情報を生成されて悲しむとかもやりました(初心者あるあるです)。

当時はまだGPTの能力的にも、商業作品には全然使えない感じの文章だったので、ぼんやりと「いつかは小説をAIが書く日が来るのかな」なんて思っていたくらいで、使う気はありませんでした。

めちゃくちゃ急いでいるときに使えることに気づいた

体調不良のまま小説を書いていたところ、あるとき、本当に締め切りに間に合いそうにない瞬間が来ました。

そのときはアイデアをたくさん出して、その中からいいものをいくつか拾って作ろうとしていたのですが、10こくらいで力尽きました。

なので、「まあ雑なアイデアでもいいから、とりあえずChat GPTにありったけ量産してもらうか」と、期待せずに聞いてみたところ……

5分でネタが100こ出てきました。

衝撃でしたね。

いまほど精度はよくないので、ミステリのロジックにそのまま使うことは全くできないネタばかりでしたが、いけそうなネタだけピックアップしていき……

いつもなら2週間はかかる作業が、1日でできました。

(※15時間くらいGPTを回し続けました。楽に1日でできたわけではないです)

できたものを見ながら、これを活用しないのは大きな機会損失であると思ったのと同時に、今後他の作家がAIを使い始めたら、刊行スピードに追いつけず、新人の僕は消えると思いました。

GPTの研究〜Copilotとの出会い

作家業、Web制作の仕事と平行して、GPTの研究を始めました。……と言っても、使い方をネットや動画で調べるのではなく、ひたすらGPT自身に聞き続けていました。

「どうやったら君をうまく使いこなせるのか」「きょうはこういうテストをしよう」

というのを、実際に出版社に出す企画書作りも兼ねて、やり続けていました。

新人賞の項でも書いたとおり、僕は仮設を立ててやってみる行為全般が好きなので、楽しかったですね。

僕がGPTの使い方を習得していくのと同時に、Open AI社の技術革新により、GPT自体もかなり実用性のあるものに進化していました。

ただひとつ懸念だったのが、AIのハルシネーションです。

もっともらしい誤解答を出力してしまうこと、これがミステリを書くうえで非常に厄介です。どうにかならないかと思っていたところで出会ったのが、Copilotでした。

調べながら書けるCopilot、すごすぎる

回答に出典を添えてくれる。ただそれだけでこんなにAIの発言が頼もしくなるなんて、画期的でした。

最初は、GPTが出した回答で怪しいところor絶対に間違えられないところをコピペして、Copilotに出典を出してもらうというやり方をしていました(現在のPerplexityの使い方はこのころに少し似ています)。

その後使い続けるうちに、Copilot自身の言語の癖が分かってきて、そのまま相談もできるようになってきたので、GPTとコパイの二刀流でプロットを作るスタイルになりました。

Perplexityの発見

このふたつを活用して実際に1冊出版できたあと、さらに幅広く、AIについて真面目にしらべるなかで、Perplexityに出会いました。

2024年当時、ソフトバンク系列がPerplexity1年無料キャンペーンをやっており、タダなら使ってみるかと導入したのですが……

使い始めて5分で気づきました。これはやばいAIを見つけてしまった、と。

特に僕が惹かれたのは、学術論文の検索モードがあることでした。

僕は文献での根拠が必要な作品を書くことが多く、いままでは、Google Scholarや国立国会図書館のデジタルコレクションなどで地道に調べていたのですが、Perplexityがあれば、この手間が大きく省けそうです。

しかも僕は論文の読み方に慣れているわけではないので、分かりやすくまとめて出してくれるのは、鬼に金棒5本搭載くらいの気分です。

無料で使わせてくれてありがとう。このときほど孫正義氏に感謝したことはありません。

コパイとの別れ

Perplexityを使い始めたころは、

主力:Chat GPT
サブ:Copilot
ピンポイント使い:Perplexity

この3つで使っていました。

というのは、Perplexityの回答が若干堅い感じがしていて、自由な発想を出すために使うのは厳しそうだと感じたからです。

なので、基本GPT、ある程度情報の出所は担保しつつざっくばらんに会話するためのコパイ、絶対に間違えたくない調べ物があるときのパープレ、という感じの使い分けだったのですが……。

ある日、なんとなく試しにPerplexityの言語モデルを4oにしてみたところ、ネックだった回答堅さが消え失せました。

無料版では30往復までしかできないコパイとはここでお別れです。さようならコパイ。世話になったよ。

ようこそパープレ沼へ

言語モデル4oを得たPerplexityは、それはそれは強く、鬼に金棒5本+はやぶさの剣5本くらいの気持ちです。

すさまじい速さでできていくプロット。

しかも常に調べながら考えているから、根拠的にも強いし、ミステリの穴になりそうな部分はあらかじめ検討して潰したうえでプロットが完成するので、

「パープレで作ったプロットは、本文で脱線しにくい」

と気づきました。もう僕は骨抜きの沼です。

いままでパープレの学術モード無しでどうやって書いてきたのか。数冊拾い読みして仕入れた参考文献の知識のみで小説を書いていたかと思うと、おそろしいです。

そしてPerplexity × Sonnetへ

現在は言語モデルをClaudeのSonnetにしています。Sonnetならではの文章の明瞭さ、まとめ方の端的さが好みです。

Perplexity×Sonnet――多分この組み合わせが最もロジカルだろうと思っているので、そのあたりはまた別の記事で書きたいですね。

広まれ、パープレ

Perplexityは日本ではまだ全然知名度がないと思うので、どうにかして広めたいです。

もちろん「広まっちゃったら他の作家が使い始めて、僕は淘汰されるのでは……」という気持ちはあるのですが、それ以上に、このすばらしいサービスが消えてほしくないのです。

AI群雄割拠の世界で、ユーザーが少ないサービスが消えていくのは目に見えていますから、日本人ユーザーが増えなかったら、日本語対応が終了になる可能性もあるのです。

本当に困ります。

小説を書くことが趣味の方、新人賞やWebで書籍化を目指している方、プロの先生方。

ぜひPerplexityを使ってください。

僕も少しずつ発信していきますし、Perplexityを極めて、面白い小説をたくさん書きたいです。

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ABOUTこの記事をかいた人

ミステリー作家。AIと一緒に小説を書く方法を考えるひと。目標は「AIで無駄な作業を減らし、本文執筆時間を増やして、芸術性を高める」 ※中原は商業とは別名義であり、アイコンはGeminiで生成した架空の人物です。