こんにちは。AIと書くミステリー作家の中原真緒です。きょうは僕の主力AI「カスタムGPT」についての記事です。
カスタムGPTとは何か、なぜ必要なのか、具体的にどうやって作るのかをお伝えしていきます。
カスタムGPTとは?
「カスタムGPT」とは、ChatGPTで自分専用のAIを作れる機能です。有料版Plusで使えます。
AIを作るというと難しそうに感じるかもしれませんが、全くそんなことはありません。
設定はシンプルで、どんなものを出力してほしいかの指示を書いたり、参考資料となるファイルをアップロードしたりすることで、自分の創作スタイルに合ったAIに仕上がってくれます。
カスタムGPT「草稿係」とは?
僕が使っているカスタムGPTの名前は「草稿係」です。
草稿とは、文章のざっくりとした下書きなどを指しますが、怖いくらい自分に似た文章を出すので、僕はキモ怖文と呼んだりもしています。

これがキモ怖文の実力です。まるで僕が書いたかのようで怖いですね。通貨に例えるところとか、すごく中原っぽい……。
そのまま使うには若干くどいですが、ちょっと手直しすればいい感じになりそうです。
草稿係=完全な自動生成ではない
ひとつ確認しておきたいのは、草稿係は本文を自動生成するためのツールではありません。手が止まりそうになるときの、心理的ブロックをなだらかにするのが目的です。
書き出しが決まらなくて執筆に入れない、いい表現が見つからなくて手が止まる、印象的なフレーズを入れたいのに思いつかず、虚空を見つめる……。
こういうときは、草稿係に投げましょう。
なぜ草稿用にカスタムするのか
普通のGPTでも「このプロットで草稿を書いて」「この続きを出して」と頼めば、それらしい文章を出しては出してもらえます。では、なぜわざわざカスタムGPTを作る必要があるのでしょうか?
それは、普通のGPTだと自分の文体っぽくなかったり、やたらに表現が大げさだったりして、直すのにかえって時間がかかってしまうからです。
一方草稿係は、あらかじめサンプル文として自分の文章を読み込ませているので、文体のクセごと理解しています。
句読点の打ち方や、漢字のひらき方なども似せてくれるので、普通のGPTより細かい手直しが少なくて済みます。
怖いほど自分に似た文を出す方法
草稿係は、以下のステップで作成します。
①「ファイル」に3つのサンプル文を読み込ませる
②「指示」で良い文・悪い文を教える
実際の作成画面を見ながらご説明します。
説明・指示

「説明」はこのGPTを一行で表す説明。「指示」が具体的に出してほしい文章のリクエストです。英語で書いてありますが、日本語で考えて翻訳すればOKです。
僕の場合は以下の内容になっています。
説明:リズムや感情、キャラクターのニュアンスを大切にしたライトなミステリーシーンを生成する
指示:
このGPTは、リズム感や感情の動き、生き生きとしたキャラクターの心理や台詞を重視した小説の草稿を生成することを専門とします。参考資料としてアップロードしたテキストファイルをもとに、「怖いほど僕の文体に似た」文章を出力します。漢字の開き方、句読点の位置、よく使う表現なども可能な限り再現します。資料は以下の3つのサンプルファイルです:
・心理描写を含む地の文
・キャラクター同士の軽快な掛け合い
・ミステリーの謎解きに必要なロジック部分
執筆ルール
・会話の「」は4つ以上続けない。 台詞が続きすぎるときは必ず地の文をはさむ。
ただし、意味のない「動作だけの文」ではなく、情景描写と心理がリンクする文を挟むこと。
・時間が進まない相づちや意味のない台詞はNG。
悪い例:「きょうはいい天気だね」「そうだね」
良い例:「天気いいね。屋上でお弁当食べる?」「オッケー!他の人も誘おう!」
以下、コピペ用です。そのままお使いください。
This GPT specializes in generating novel scene drafts that emphasize rhythm, emotional flow, and vivid character psychology and dialogue.
Using the uploaded text files as reference material, it produces drafts that feel “uncannily similar to my own writing style.” It mimics choices such as kanji usage, punctuation placement, and frequently used expressions.
The reference materials are the following three sample files:
・Narrative prose that includes psychological description
・Lighthearted character banter and dialogue rhythm
・Mystery logic passages, such as deduction or reasoning scenes
Writing Rules
・Do not continue dialogue (“”) more than four times in a row. If dialogue becomes too continuous, insert narrative lines.
However, avoid meaningless filler like “he stood up” or “she looked around.” Instead, insert meaningful sentences where description and psychology connect.
・Avoid dialogue that does not advance time or meaning (bad dialogue).
Bad example: “It’s nice weather today.” “Yeah.”
Good example: “It’s sunny today. Want to eat lunch on the rooftop?” “Sure! Let’s invite the others too!”
サンプル文は、自分らしさが出ているシーンを
草稿GPTを自作する際、最も重要なのは学習させるサンプル文の選定です。自分の作品から3000文字程度×3本抜粋します。
同一作品内でもいいですし、バラバラでもかまいません。大切なのは、自分の文体の癖やこだわりが伝わるかどうかです。
「知識」という項目に、テキストやワードなどのファイルをアップロードしてください。

僕はミステリーなので、以下の3つを読み込ませています。
・心理描写を含む地の文中心のシーン
・探偵とバディの会話の掛け合いが分かる、台詞中心のシーン
・謎解きの過程(ロジックや解決の導き出し方)が分かるシーン
自分のらしさが一番出ている箇所を選ぶことで、GPTもその文体をしっかりトレースしてくれます。
指示のコツは、良文・悪文を教えること
もうひとつ、カスタムGPTには「指示」という項目があります。これは、出力の仕方に関するリクエストを行う機能です。
普通は口調や文量などを指定することが多いのですが、草稿係では、「こういう出力は避けてね」というNG例や、「こういう文が好ましいですよ」という教育を行います。
僕の指示文はこうです。
誰しも自分の中で「これはやらない」と決めているラインがありますよね。それをきちんとGPTに伝えることで、「これは違うな」と感じる出力が減ります。
カスタムGPTを使う場面
僕が最も草稿係を使うのは、表現が思いつかなくて手が止まったときです。
たとえばグルメ描写。舌の上で溶ける、香ばしい香りが鼻を抜けるあたりはもう、作中で何度も使ってしまってネタがない……なんてときに、草稿係がおおいに役立ちます。
詰まる直前までのブロックをコピペし、書きたいことを2〜3個箇条書きにして、「続きを書いて」とリクエストすると、キモ怖文が生成されます。
それを元に手直しすれば、悩む時間が大幅に短縮できます。
まとめ:執筆の補助線としての草稿
それでは改めて、カスタムGPTについておさらいしましょう。
カスタムGPT「草稿係」は…
・怖いくらい自分によく似た文章を生成してくれるツール
・地の文やセリフ中心のシーンなど、真似してほしい部分をサンプルとして読み込ませる
・指示には、良文・悪文を教える
カスタムGPTは、決して魔法のツールではありません。書くのはあくまで自分自身ですし、自分の文をサンプルとしているわけですから、実力以上のすごい文が出ることはありません。
でも、手が止まりそうなときに、とりあえずカスタムGPTに仮の文を生成してもらえば、時間もエネルギーも温存できます。
限られた執筆時間の中で、悩まなくていいシーンをサクサク進めて、本当に注力すべき箇所に時間をかけられる。それがこの草稿係の真価です。
カスタムGPT「草稿係」と検索型AI「Perplexity」があれば、商業レベルの小説が書けるようになります。この最強の組み合わせについては、以下の記事で詳しくご紹介しているので、未読の方はぜひ読んでみてください。
※カスタムGPT利用時の注意点
他人の著作物をGPTに学習させるのは絶対にNGです。著作権の観点からも、倫理的な観点からも問題があります。
また、出てきた草稿を一切手を入れずに応募・公開するのもおすすめしません。
新人賞や投稿サイトの規約をよく読み、使用しても問題ないか確認してから使いましょう。






